みん俗学への批判の方法

みん俗学というのは、しばしば方法論が批判される学問である。曰く、聞き取りという一回性、恣意性のある資料を資料として用いるのはあまりに信用できない、とか。
けれども、みん俗学を的確に批判するには、国家(とそれに付随するもの)を対象化しえない、とか、近代を対象化しえない、とかと批判した方がよいのではないかと思う。もちろん、それらを自覚する人は多いが、凡夫は、対象化して主体的に行動したときにいったいそれは何になるのか、というと大変おそろしい事態がおこるのではないか、というところで逡巡があるのではないか。