寺の破産

寺がなくなったら檀家はどうなるのだろう。
寺を更地にして売り払うとしても檀家の反対は強いだろうし、寺の建物を残しても買い手はないだろうし、ましてや墓を更地にして売り払うというわけにもいかないだろうし、檀家に墓地を買い取れというわけにもいかないだろうし、檀家で寺を買い取るというのも難しいだろうし、納骨した人は、いきなり骨が帰ってきても困るだろうし、どうなるんだろう。
宗教法人の責任がどうあるのかわからんけれども、運営に檀家の代表もはいっているはずだ。この人たちはどうなるのだろう。
関係の同宗派の寺院でなんとかするんだろうか、県レベルでなんとかするんだろうか、本山が救済してくれるんだろうか。
住職も、責任をとって出家します、はあっても、責任をとって還俗します、というのはあまりありそうにもない。どうなるんだろう。
たいへんなことはよく分かるのだが、そこで起こることは想像できないな。

あわら市の永宮寺が破産手続き 浄土真宗東本願寺派の寺院 (2010年8月4日午後8時26分)
 福井県あわら市市姫2丁目にある「蓮如忌」ゆかりの浄土真宗東本願寺派永宮寺(太子堂正悟住職)が、福井地裁から破産手続きの開始決定を受けたことが4日分かった。東京商工リサーチ福井支店と破産管財人によると、自動式納骨堂の経営に行き詰まって約3億3800万円の負債を抱え、債権者が破産を申し立てた。県は「過去10年間に県内の宗教法人が破産した例はない」としている。
 永宮寺は1392年開基の寺院で、1953年に宗教法人化した。2005年11月、あわら市細呂木に約5千組分の遺骨を納める納骨堂「はちす陵苑」を開業し、当初1組約50万円で売り出した。
 しかし、契約が約60件にとどまったために工事代金を工面できず、施工業者の兼六建設(本社金沢市)が今年3月、破産手続き開始を福井地裁に申請、7月26日に開始決定が出た。開始決定に伴い、宗教法人は解散する。
 宗教法人法を取り扱う県情報公開・法制課は「後継者や信者の不足などを理由に宗教法人が解散した例はあるが、過去10年間の記録をさかのぼっても県内の宗教法人が破産した例はない」とする。浄土真宗東本願寺派本山の東本願寺(東京)も「過去に当宗派の寺院が破産した話は聞いたことがない」としている。
 永宮寺の土地と建物は登記上、自動式納骨堂のシステムを開発した光洋自動機(本社横浜市)が所有している。破産管財人の八木宏弁護士は「所有権を回復できれば、檀家(だんか)などの意見を聞いて境内の本堂や墓地をどうするか決める」と話す。
 一方、納骨堂の土地と建物は兼六建設が福井地裁に競売を申し立て自ら落札、管理している。八木弁護士は「納骨堂の遺骨は契約者に返す。契約金は返せない」としている。
 宗教法人の代表役員を務める太子堂住職は「破産手続きが終結するまでは何も話せない」としている。
 永宮寺は蓮如上人の遺徳をしのぶ蓮如忌で、真宗大谷派とは別に吉崎への御影道中を行っている大谷家所有の御影が到着し、法要が営まれる寺院として知られる。
http://www.fukuishimbun.co.jp/modules/news0/index.php?page=article&storyid=22949&storytopic=1