私は坂の商店街を歩いている。商店街の雰囲気は大阪の下町。横に人がいる。その人は内田百間である。百間先生は、「ここは神楽坂」だという。横に大時代な喫茶店がある。この喫茶店は「ザカ」であると思う。

百間先生は、学生達は遅刻しそうになるとこの脇道を通るのです、と言う。確かに、坂の商店街から右の方に伸びる細い脇道がある。私はその脇道を通ることにした。

脇道は細く、崖を削り取ったような道で、左手の下の方は用水路でその向こうに田んぼが広がっている。右手は崖がせり上がっており、上は茂みがせりだしている。茂みがじゃまなので立って歩けない。四つんばいになりながら、用水路におちないようにそろそろと進んでいく。

道の先に、立派な近世の墓が見える、と思ったら村の中に出た。墓があって、向こうに立派な家がある。そのまわりは畑になっている。どうもどこかの家の敷地に出てしまったらしい。

家の敷地に入ったので慌てて村道にでる。向こうに神社らしい森が見えたので行ってみる。神社だった。拝殿には、絵馬がたくさんあがっている。絵馬のそれぞれはテレビ画面になっていて、いろいろな影像が写っている。