講義

少しだけ準備をして、昼前に家を出る。
学校の近くのなか卯で飯を食うが、全部食えない。
今日はとてもではないが講義の準備ができなかったので、自分の書いた論文の中から一個をえらんでそれでお茶を濁そうとしたのである。70枚の論文と20枚の論文どちらにしようかと思って行きの電車の中でも考えたのだが、コピー機の前に来て20枚の方にする。
これで1時間半もつかな、という不安はあったが、やってみると充分もった。
ご老人方に地獄の話をしたのだが、「今日はええ話を聞かしてもらいました。」と褒められた。
「もっと今の子にも地獄の話をきかしたらなあきませんな。私らの頃はのぞきからくりがあって、あれはこおてこおて。のぞきからくりは節がありまして、あれがおもしょおましてんで。」とかというような話をしてくれて、伝承者として申し分ない方がいる。