お金を使ってしまわなければならない

私の一年間の収入をみると「お金を使ってしまわなければならない」というのはあり得ない発言なのだが、科研費については、生活費にまわすことはできないので、こういうことになる。
しかし、この科研費というものは、(以下、所属の研究機関によって扱いが違ってくる話なので、一般性はない)身分の安定しない人間には非常に使いにくいしろものだ。
人文系で、本を購入しない研究、という言葉を発すれば、「おまえはあほか?」といわれてしまうに違いない。しかし、こと科研費に関しては、「本を購入しない研究」をおこなわなければならない。
科研費で本を購入すると、自動的に所属する研究機関に寄附することになっていて、来年の所属先がなければ、科研費で購入した本とはさようならしなければならない。
さようならしなければならない可能性のある本をわざわざ購入するのはこれもまたあほなことであって、そんな本は買わない。勿論、備品になる物も買わない。
消耗品と出張旅費くらいしか使い道がないけれども、出張をばんばんするほど暇でもない。
さて、あと20万円残っているのである。
本を買うならすぐに使い切ることができるが、本は買わない。
できれば、生活費として使いたいのだが、資料整理とかをしても研究代表者に対しては謝金は出ない。
とりあえず10万円ほどコピーを頼むか(またコピーの山が増えるだけだが。。。)。あとの10万円は、どうしよう。何か要らないパソコンソフトでも買わないといけないか。
生活は困窮しているのに、一方で、必要でないことにお金を使わなければならない。
辛い。