論文での敬称

論文に引用した研究者名に氏とか先生をつけるかどうかで少しはなしになった。
ある社会人の院生は、前の大学で卒論を書くとき、一般の研究者は「氏」、自分の指導教官は「先生」をつける。指導教官の先生になると「先生」をつけてさらに「あの偉大なる」という感じの言葉を頭につける、と教えてもらったといっている。
昨今、急速にすたれた慣習であろう。
学内学会の学会誌は、原則呼び捨てだそうだ。私は、呼び捨ててで書いてもいいと思う。研究をしている上では対等なはずだ。
ある先生は、「引用に「氏」とか何とかがついている研究者は、世の中にしられていない二流、三流の研究者だ。」といったそうだ。そういう考え方をすると敬称をつけるのは馬鹿にしていることになる。
死人は呼び捨てて、生きている人間には「氏」をつけたり、すごーく偉い雲の上のような研究者は呼び捨てて、それ以外の人には「氏」をつけたりする場合もある。
現実には、私は、一律「氏」をつけている。「先生」は使わない(使ったことがない)。あまり引用することはないけれども、歴史的な研究者は呼び捨てにしている。
学会発表では、レジュメに「氏」とかいていても、口頭では「先生」というのが無難だろう。但し、分野による。「さん」でいい学会もあるし、呼び捨てのところもある。「さん」で通用している学会で「先生」をつけると浮いてしまうし、「先生」が通用の学会で「さん」で通すといらぬ嫌疑を受ける。
敬称一つで呼ばなくていい怒りを呼ぶ場合もあるので、回りを観察してそれにあわせておこう。