「奨学金」の延滞は減っているのではないか?

以下の新聞記事を読むと、奨学金の貸与額は、1998年から2010年までで、3.8倍になっている。「返還を要する債権額」は、1998年から2010年までで2.8倍になっている。貸し出し額が4倍近くになっているのに、滞納額は、3倍程で「おさまっている」と解釈すべきではないのか?
それにもかかわらず、文科省が「返済滞納が増えているとして回収強化を求める報告書をまとめた」のはおかしいのではないか。学生支援機構はがんばっていると評価すべきではないのか。
なぜこの数字で回収の強化に向かうのか分からない。私の計算の仕方が間違っているのか? 数字の解釈の仕方がまちがっているのか? この数字からこの結論に至る過程が分からないのは、わたしはあほなのか?

奨学金延滞で学校名公表も 文科省が回収強化の報告書
2010年9月2日 19時59分
 文部科学省は2日、独立行政法人日本学生支援機構奨学金事業で、返済滞納が増えているとして回収強化を求める報告書をまとめた。所得があるのに返さない場合はしっかり取り立てなければならないと指摘、卒業生の延滞率が高い大学などは学校名公表を検討する必要があるとしている。
 報告書は、(1)窓口になっている学校側の説明不足で学生に借金の意識が希薄(2)支援機構の債権管理システムが旧式化している―と指摘。その上で学校側の指導強化や、債権回収の民間委託など支援機構の業務改善が必要としている。
 支援機構の奨学金の貸与規模は1998年度から2010年度までで3・8倍に拡大した。一方で延滞が増加、3カ月以上の延滞者は09年度末時点で21万人。09年度の「返還を要する債権額」4兆140億円に対する延滞額は2629億円で、98年度の2・8倍となっている。
 文科省は来年度予算の概算要求に奨学金事業の充実を盛り込んでいる。鈴木寛副大臣は2日、回収強化の必要性を強調した。
(共同)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2010090201000882.html