始業式

一人欠席している。
欠席者はちょっとおもろい奴なのである。
始業式を忘れていたのでは」「10時からと思っていたのでは」などと噂をしていたのだが、ついに来なかった。
昼過ぎ、私が駅に向かっていると、向かいから走ってくる者がいる。
欠席した一人ではないか。
「おい!何しとんねん?」
と声を掛けると、
「電車で寝過ごしました。今日は何があるか全然分からずに来たんですけど、提出物とかテストとか何かありました?」
という。
「今日は朝から始業式や。小学校の時も、9月1日は始業式やったやろ。」
というと、
「はい。」
という。
「中学校でもおんなじや。提出物は知らん。先生に聞いてみい。せやけど、今日はもうみんな帰って誰もおらへんで。クラブとかあるんやったら知らんけど、学校行ってもしゃーないで。今日は無断欠席や。」
というとちょっとやばいなー、という顔になってくる。
「とりあえず、図書館に本返しにいってきます。」
といって彼は学校へいったようだ。
二学期早々おもしろいことをするものだ。