某女史に出会う

証明書を発行してもらうべく某部局に行ったら、博士課程にいる某女史に出会う。
ちょっと文献の検索を依頼していたので立ち話をする。なんやら痩せていたので、「痩せたんちゃう?」というと「そうなんですよ。ちょっとありまして。」「何?覚醒剤?」などといってみたりした。
どうも覚醒剤ではなくて、ある博物館の事務職が内々定していたのだが、向こうから断られたらしい。その後、ショックでしばらく「獣のような」生活を送っていたそうだ。
一旦採用も内諾をだしたあとで、向こうが、こんな「立派な」経歴の人を事務職につけるのは恐れ多いのではないか、とびびってしまって、申し訳ないけれども、と断りがきたらしい。
彼女は、常々博物館や美術館での勤務を望んでいたので、学芸員といった専門的な職でなくても事務職でじゅうぶんだと思っていた。だからひじょうに喜んでいたのだが、向こうはそうは思わなかったらしい。
お断りした方では、ひょっとしたら、

「立派な経歴」=すごい能力がある=能力をかさにきていうこと聞かない=使えない

とか、

「立派な経歴」=研究者(に近い)=事務仕事はできない/事務仕事をしない=使えない

という式がなりたっているのかもしれない。そんな意地の悪い見方をせずともよいのかもしれないが、私も某所の面接でそんなことをけっこうあからさまにいわれたことがある。ついつい勘ぐってしまうのである。
ついでにいうと、修士とか博士とかはもう「立派な経歴」でもなんでもない。ましてや、それが排除の論理として使われるのならどうしようもない。
まぁ。勘ぐりすぎなのかもしれないが。