『ゲンと不動明王』を読了

図書館で昨日書いた映画の原作を借りてきて読みました。
1961年の「ゲンと不動明王」という映画の原作は、宮口しづえ『ゲンと不動明王』(筑摩書房、1958年)です。
宮口しづえという人も知らなかったし、『ゲンと不動明王』という作品も映画でしか知らなかったのですが、著作集もでていて有名な作家のようです。某あまり賢そうに見えない知事が廃止を決めた国際児童文学館の「日本の子どもの本100選」(http://www.iiclo.or.jp/100books/1946/htm/TOP-Year.htm)というページでもとりあげられています。
映画よりも原作のほうがだいぶんよいです。人間の善良さに思わず涙してしまいます。
1958年当時には、街道筋から入ったところにある山寺から隣町にいくのに峠を歩いて越えるとか、峠のてっぺんの茶屋はのメニューは栗まんじゅうと栗おこわだけとか、自転車がすごい乗り物であるとか、自動車が走っていて驚くとか、箱膳で飯を食うとか、鯖の缶詰の炊き込みご飯がごちそうだとか、菓子が感動的な食い物だとか、結婚の儀礼がごく簡略(後妻をもらうからだろうけれども)だとか、足袋をはかせろといって、そんな立派なものはない、といわれて靴下がでてくるとか、大変おもしろいです。