「学位論文(博士)のデジタル化実施に係る著作権処理について」について

困る人はいないのだろうか。
私は困る。
以前、大学の機関リポジトリの担当の人から、学位論文を電子化して公開したいという照会があったけれども断った。
なぜなら、当時はまだ論文にしていない章があったし、まだ本になっていないから。
今は、一応全部論文にしたので、絶対だめ、とはいわないが、積極的には公開したくない。特に、論文化する前の章は、論文よりはできが悪いのでなおさらである(論文博士とかで本を学位論文にした人は、出版社が損害を被るのではないだろうか)。
図書館にいかないと見られなかったものが、居ながらにして見られるようになることは大変すばらしいことであるし、私も日々恩恵を得ているのでそういうことを積極的に否定することはできない。
しかし、世の中には、図書館にいって然るべき手順を踏んでしかアクセスできない(偶然には見ることは不可能であり、主体的に見ようと思う人しか見ることができない)ことを前提に書かれたものもたくさんあるのではないか。
みんなどうするのだろう。

学位論文(博士)のデジタル化実施に係る著作権処理について

国立国会図書館では、所蔵資料の大規模デジタル化作業の一環として、学位論文(博士)のデジタル化を実施します。対象となるのは、1991年度から2000年度までに学位授与大学から国立国会図書館に送付された学位論文(博士)約14万件分です。
このたびの学位論文デジタル化の実施に当たっては、大学と国立国会図書館が協力して学位論文の著者に許諾(「共通許諾」)を求め、デジタル化された学位論文を大学及び我が国の学術研究成果として共に公開します。
http://www.ndl.go.jp/jp/news/fy2010/1190008_1531.html