片付けられません

奥様がもうすぐ帰ってくる。
本当は、今日帰ってくるはずだったのだが、延期になった。なぜなら、奥様が、箱に入った本などがある部屋を、帰ってきたらすぐに空けなければならない、と主張したからである。
箱に入った本などがある部屋というのは、文字通り、この部屋に引っ越しをしてきた時に、前の部屋にあった本などで、今、私の本などがおいてある部屋に入りきれなかった物たちである。
入らなかったことには相応の理由がある。今日、何があるか見てみると、写真ばかり入った箱が数箱、紙の資料ばかり入った箱が数箱、お札やお守りの入った箱が一箱、その他に箱の下になって確認のすべがない箱がいくつもある。こういうものは、本棚にはおさまりにくい。
紙の資料は、論文の作成に用いた資料が入っているものもあれば、某市史の編纂の際にもらった山のような資料とか、あとはよくわからないものとかがある。
これをわずか一日でどうこうできようはずがない。資料の必要・不必要の判断は他人、それも俗人には不可能なので、いくら人手があろうと片付けてもらうのは不可能である。だから、いくら人手があろうとそれがある部屋を空けるなどというのは、不可能なのである。
「そんなことは絶対無理じゃ!やれるもんやったらやってみい!」といったら「そんなら帰らへん!」といったので、私も迎えに行かなかったのだ。
しかし、奥様は、諦めなかった。私の両親と義理の両親を引き連れて月曜日にやってくるという。なんというかわいげのないことをするのだろう。どうしてそんなに挑戦的なのだろう。どうしてそんなに諦めることができないのだろう。
私の奥様は、キチガイだろうか。